足が速い。
憧れですし、特に子どもにとって花形ですよね。
大人になっても、わが子が運動会を控えていたり、運動系の部活に入った場合、足の速さは気になるところだと思います。
少しでも子どもの足を速くしてあげたいのが親心。
ではどんなトレーニングがよいでしょう?
ネットでは様々なトレーニング方法があふれています。
色々みてきた中で、「走りの学校」という団体がアップしている動画が秀逸なのです。
実際やってみると、すぐに走りが変わるのが分かります。
そこで今回、160万回再生されている(2022.6.25現在)人気の動画で紹介されているトレーニングのポイントをまとめました。
ポイントを押さえれば子どもから大人まで誰でもでき、すぐに効果を実感できる内容になっています。
ぜひご一読ください。
ランニングとスプリントは違う
動画の冒頭で、高校野球の強豪校の部員の走りと、講師との走りが比較されています。(3:15~3:40あたり)
そこで「走りの学校」の代表である和田さんが言われているのが、
ランニングとスプリントは違う
ということ。(1:50~3:10あたり)
走りには「ランニング」と「スプリント」の2種類があります。
長い距離を移動するランニングと、短い距離を速く走るスプリントは、そもそも走り方が違うのです。
短距離走は、本来、バネの力を利用したスプリントテクニックで走らなければならないのに、みんな「速いランニング」をしようとしているのです。
走りの学校のトップページより
それらを踏まえた上で、足が速くなるために必要なスプリントのトレーニングを5つ紹介されています。
動画の中にあるトレーニング前後での選手の走りの変化がよく分かります。
ちなみに筆者もやってみましたが、確実な違いを実感します。
「これがランニングとスプリントの違いか!」
といった感じです。
ランニングとスプリントの違い
講師の走りと、強豪校で一番足の速い部員との違いは何か。
部員に質問すると、
が挙がりました。(3:45~3:55あたり)
講師の走りは、
地面を強くバウンドさせる(足音がする)
↓
その反動でももが高く上がる
↓
遠くに膝が移動する
↓
ある地点まで速く行ける
のに対して部員の走りは、
後ろ側に引いている
↓
押して前に進めようとしている
つまり、足をバウンドしていない
↓
スピードが出ない
と解説されています。
つまり、
「バウンドさせて膝を遠くに高く出す」
ということが「スプリント=速く走る」ためのポイントと述べられています。(4:00~4:35あたり)
足が速くなるためのトレーニング①ももを上げたベースポジション
まず、ベースポジションというトレーニングが紹介されます。(4:35~)
両足で立った状態から、片足をおへその高さまでももを上げ、地面を強くたたきます。
ここで、
「上げた足のつま先を落とさず、前に向ける」
ことがポイントになっています。
つま先が上がっていないと、後ろに引っかく走りになってしまいます。
10秒間キープします。
足が速くなるためのトレーニング②アンクルホップ
今度は両足で軽くジャンプします。(5:20~)
その際に、地面にしっかり音をたてて弾むことが重要です。
膝を使うのではなく、足首を使って弾むことがポイントとなります。
つま先で弾むイメージです。
そして、短い時間で弾むこともポイントです。
10回行います。
足が速くなるためのトレーニング③片足を高く上げてホップ
今度は片足を上げたベースポジションからホップをします。(7:05~)
両足ホップのような強さで弾みます。
高くなくてよいので、安定した姿勢のまま短い時間で弾むことを意識します。
3回目で高く弾んで左右の足を入れ替えます。
これを3セット行います。
足が速くなるためのトレーニング④ミニハードルを使って足の入れ替え
今度は、ミニハードルを飛び越えながら片足ホップを行います。(7:51~)
片足ホップ3回で左右の足を入れ替えるタイミングでミニハードルを越え、前に進んで行きます。
両手は上げた姿勢で行います。
足が上がった状態から反対の足を入れ替えたとき、
「足が地面についた瞬間には反対の足が上がっていること」
がポイントです。
また、上げた両手が高い位置でキープできることもポイントになります。
その理由としては、
両手を上げることで重心が高くなる
↓
不安定さが増す
↓
余裕がなくなってくると姿勢が崩れる
↓
神経が行き届いている手を固定する
↓
意識的にスプリントに必要なよい姿勢を保つことができる
が挙げられています。
足が速くなるためのトレーニング⑤サイクリングホップ
今度は、サイクリングホップになります。(9:25~)
ベースポジションから、左右の足の入れ替えを1歩ずつ行います。
地面から反発をもらいながら、足を高く上げ、その足を自転車こぎのように回します。
走りにより近いトレーニングになっています。
音をたてることで強く弾み、その分だけ膝が前に出ていきます。
次に、歩幅は変えずにピッチ(足の回転数)を速めていきます。
ポイントとして、
・ももは高い位置からしっかり地面に下していく
・それをまた高い位置に戻す
が挙げられています。
ももが落ち、ももの位置が低いと距離が短い分、遠くに体が進みません。
しっかりとベースポジションまで戻して叩くこと。
そして強く、高く、速く行います。
ここまで行うと、弾みながら走る感覚が実感として得られるようになります。
足が速くなるためのトレーニング⑤サイクリングホップ→腕を振りながら走る
今度は、「サイクリングホップから腕を振った走り」になります。(12:50~)
腕振り
まず、その場で腕振りの練習を行います。
腕もできるだけ強く速く振ることが重要です。
ただし、がむしゃらに振ったり、軌道がバラバラだったりすると足も上手く進みません。
前の手の親指は鼻につける
後ろの手はお尻の後ろに位置するくらいに肘を曲げる
音が出るくらい腕を振り下ろす
ことがポイントになります。
手順としては、
①手を横に広げ、肩甲骨をしっかり背中側に寄せる
②肩上がらないように小さく前にならい
③斧のように振り下ろす
となっています。
20回ほど行います。
サイクリングホップからの腕を振っての走り
次にサイクリングホップをしながら腕を振って走ります。(14:30~)
まず、最初のコーンからは手は上げた状態でサイクリングホップをします。
そして、次のコーンからは先ほどの腕振りを意識しながら腕を振りながら走っていきます。
足の横を手が通過した瞬間にドン!っと地面に足がつく、そのイメージで走ります。
足が地面についたと同時に腕を振り下ろす、それによって前に「弾んでいる」ことを感じていきます。
地面を強く蹴り「弾む」ことで、また高い位置にももが来る。
ももが高い位置にあるから、また強く地面を蹴り「弾む」ことができる。
それを繰り返すことで、1歩1歩が遠くに速く進むことができるという訳です。
おわりに
最後に宿題を出されています。
①ベースポジションキープ左右10秒キープ
②アンクルホップ10回(力強くとらえる意識で)
③ミニハードル片足ホップ左右3回で切り替え1セット(しっかりベースポジションまで戻すこと)
④サイクリングホップからの腕振り
10分ほどでできるとのことで、ウォーミングアップのあとに毎日行うことを勧められています。
短時間で行えるとても効果的なトレーニングになりますね。
私は息子と一緒にすることが多いですが、子どもにとっても分かりやすく難しすぎないため、とても良いトレーニングだと感じています。
そして最近は走りの学校の本
走り革命理論 今まで誰も教えてくれなかった「絶対に足が速くなる」テクニック [ 和田 賢一 ]も出版されています。
スプリント能力を野球の走塁につなげたい方は以下の記事もオススメです。
これらのトレーニングは、自身の体重を地面で受け止めながら弾むことができるか鍵のようです。
そうした役割をしている背骨や胸郭、股関節、膝、足首の柔軟性を高めることは、効果的かつ怪我なくトレーニングする上で必須です。
また、ご自身の筋力を知った上で適度な負荷の運動を行うことも重要です。
今回の記事が親子で「足を速くする」スキルアップの一助になれば幸いです。
では。
「太ももの高さ」
「足音」