練習にいかそう!源田・小坂・鳥谷・石井・宮本氏が語るショートの守備のコツ〜宮本慎也のYou Tubeより〜

野球の守備において「要」であるショート。

打球やランナーの状況によって、瞬時にさまざまな対応が求められます。

それゆえ華麗なプレーが生まれる「花形」なポジションでもあります。

プロ野球には、その花形と言われる所以となるような名手がたくさんの生まれています。

平成の名手のひとり、宮本慎也氏のYou Tubeでは、平成から令和までの名手が集いショートの守備のポイントについて語っています。

そんな素晴らしくありがたい貴重な動画から、各名手のコメントをまとめてみました。

プレイヤーだけでなく、

・指導者

・お子さんが野球をしている親御さん

もぜひご一読ください。

練習にいかそう!ショートの守備のコツ〜宮本慎也のYou Tube①〜

今回の動画は、各ポジションにおいて年間通して守備の貢献が大きかったと認められた選手に送られる三井ゴールデングラブ賞の特別企画として、

・宮本慎也氏

・石井琢朗氏

・小坂誠氏

・鳥谷敬氏

という平成の名だたる名手とともに、現役でNo.1のショートと言われる源田選手も守備について語っています。

始めの動画では、実際ノックを受けたのち、

・キャッチボールで意識すること

・ノック

・ゴロの捕球で意識すること

・グラブの使い方

・当てて捕るか、つかんで捕るか

について語っています。

コメントの順番は基本的に、鳥谷氏→源田選手→石井氏→小坂氏→宮本氏となっています。

なお、源田選手のコメントは水色にして区別しています。

 

キャッチボールで意識すること(3:10〜)

源田選手は社会人時代に宮本氏に教えてもらったという、

「ピッチャーみたいに」

「体を大きく使う」

を意識しているとのことでした。

その他、

小坂氏「受け方・捕り方・体重移動」

鳥谷氏「体重移動」「回転」「体のバランス」

石井氏「足の踏み出し」「左肩の向き」(現役時代は何も考えていなかったが…)

とのことでした。

 

ゴロの捕球で意識すること(9:30〜)

鳥谷氏は、

・アウトにするためにどう(ボールに)入って行くか

・投げる方向に全てを向かす

・そのためにどう足を運ぶか

・上半身やどこで捕るかはそこまで考えず、どう入っていってら投げやすいか

・基本的には左足で(捉えて)捕って投げるイメージ

・ゴロに合わせてどちらの足でも捉えられるようにしていた

 

源田選手は、

・体重が全部(投げる方向に)まとまるように動く

・右足一本で捕球したい

・その後、左足をついてそのまま一発で(送球)

→肩が強くない分、早く(正確に)ボールを放つために

・右足で捕り、左足をついてそのまま体重移動で放つ

 

石井氏は、

・体の中で全部まかなう

・正面ではなく左側にグラブを出す

・晩年、源田選手のように右足で捕るようになった

 

小坂氏は、

・体重が軽い&体が小さく、力がないので、足で作った力をボールに伝える

・余計な動作を入れずに(捕球)ポイントに入っていく

・「投げるためのリズム」と「ボールを捕るためのタイミング」を意識していた

 

宮本氏は、

・投げる方向に力が働いていくように入っていく

・左足をついて奥行きを出して捕球したい

・右足ついたときにグラブは下に

・左足はつま先を上げた状態で(捕球までの)間を取る

・捕ったタイミングで投げる方向に力を働かせる

・三遊間(の打球)は右側から回る感じで基本的に足を使うイメージ

とお話されています。

 

最後に、二遊間の打球に対して飛びついての捕球に関しては、

鳥谷氏以外→ボールに向かって直線的に飛びつく

鳥谷氏→一塁方向に体を入れる

とのことでした。

現役時代、宮本氏が「鳥谷氏が飛びついた後、地面についた跡が人と違っていたため不思議だった」との面白いエピソードも聞かれていました。

 

グラブの使い方(17:10〜)

鳥谷氏は、

・置いとくだけ

・足が動くと少し反動がつく

・その反動でボールが入っていく

 

源田選手は、

・自然な角度でそのまま置いとく感じ

・左腕のグラブのラインにボールを入れる

・最後にグラブの位置は変えずにそのまままたぐ

・グローブの小指のところに2本入れ始めたのは2年前くらいから

・西武の外崎が先にしていてグラブを借りて使ってみたらボールの収まりがよかった

・作ってもらって使いだした

・ボールを捕球する場所は中指と薬指あたりの位置

・しっかり握りたいときはもう少し親指側

とお話されています。

 

「当てて」捕るか、「つかんで」捕るか

鳥谷氏は、

・勝手にグラブが閉じてる

・小指2本グラブを使ってみたら捕りすぎる(入りすぎる)

・なるべく早く右手にボールを持ちたいのにしにくかった

 

源田選手は、

・入ったら閉じてくれる

・小指2本のグラブはポケットが深い分、ボールが収まる場所は同じ

・右手の持っていく位置は一緒なので握り替えが遅くなることはない

 

石井氏は、

・グラブでボールを掴む感覚はない

・自然と手の平を出した感じ

・その手を中心に(足や体を)回していく感じ

小坂氏は、

・ボールに対してグラブの面を出す

・速い打球だったら閉じる

・打球の回転がついていると正確に右手で握れない

・ボールの勢いを握って殺すイメージ

・その間に一回ステップを入れて投げる

宮本氏は、

・入ったら閉じる

・右手は添える

・捕球する位置に関しては集中していた

と語っています。

 

練習にいかそう!ショートの守備のコツ〜宮本慎也のYou Tube②〜

先程の動画の続きとなっています。

今回は、

・割りについて

・捕球のポイントは「上がり際」か「落ち際」か

・トップの位置

・スローイング終わりの手のひらの向き

・ステップの仕方

・逆シングルのイメージ

・チャージ時の捕球位置

・スナップスローについて

・ジャンピングスローについて

・素手捕球について

についてです。

 

割りについて(0:35〜)

鳥谷氏は、

・「割る」イメージはない

・捕って体重移動→胸ぐらいから開く→腕が遅れていく→手が離れていく

・「割る」と(すでに胸が開いていて)一連動作の中で胸が開けなくなる

・スローイング後そのまま走っていく

 

源田選手は、

・捕球して一塁方向に近づく→勝手にグラブに体が寄る→自然と「割る」ような形になる

 

石井氏は、

・コーチに捕ったら『割る』ように教わった

・左肩が投げる方向に向けているか

・肩を左に振る→体が横振り→悪送球

・送球する方向のラインに左肩を止める&グラブを閉じる

→右手はライン上で止まる→送球が安定する

小坂氏は、

・捕って右足→左足にステップする過程で自然と手が後ろに行くイメージ

宮本氏は、

・自分は「割らない」派

・割る→体からグラブが離れる→投げる時、再びグラブを体に戻す→余計な動作が入る

・捕球→足が動く→グラブが中心に寄る→投げる→グラブが離れる

・グラブを離さない方が壁ができ(投げやす)やすい

とのことでした。

ただし、送球の際にグラブを体に引き寄せないタイプ(金子誠氏)もいるとのことで、一般的に意見が分かれるとのことでした。

 

捕球のポイントは「上がり際」か「落ち際」か(5:00〜)

宮本氏が「上がり際で捕れる努力をする」ことを強調されています。

話を振られた小坂氏も同調するように「ショートバウンド」と言われます。

最近は「落ち際」で捕球する流れがあるようですが、そこは宮本氏は違和感が強いようです。

トップクラスの現役選手として源田選手にもそこは発信してほしいと話を振られます。

源田選手上がり際で捕球することで「体重がうまく乗っけていける」と述べています。

宮本氏が考える上がり際で捕球するメリット

・スローイングが楽

・グラブも立ちやすい

 

トップの位置(5:30〜)

トップのボールの向きについては、源田選手と宮本氏以外の3氏ともに意識したことがないと発言されています。

源田選手は、鳥谷氏と同じでショートがポジションとすると三塁方向かなといった感じでした。

宮本氏は一塁方向と述べています。

 

スローイング終わりの手のひらの向き(6:14〜)

スローイング終わりの手のひらの向きについて宮本氏が話を振ると、

小坂氏のみ、以下のメリットを感じて「外側を向くように」意識していたとのことです。

スローイング終わりの手のひらを外に向けるメリット

・ゲッツーなどで体勢の崩れてのスローイング

→「横振り」になりやすい腕の振りを「縦振り」にできる

・ボールをしっかり握れてない

→横振り→ボールがスライド→セカンドが捕球しにくい

→縦振り→シュート回転→セカンドが捕球しやすい

 

石井氏は、

・スローイングで指が余計にひっかかり送球が安定しない選手

→「小指を上(手のひらは外)にして、シュートを投げる」よう指導

→ひっかかりにくくなる

と述べています。

 

鳥谷氏も「シュート」の方がよいと発言しています。

投手をしていた頃、

・捕手がワンバウンドを弾く確率:シュート系<スライダー系

という傾向があり不思議に思っていたそうです。

ショートを守り始め、捕手の送球を受けるようになってから、

・スライダー系はどうバウンドするか予測しにくい

・一方、シュートは捕球しやすい

と感じていたため、シュート気味の送球を意識していたと述べています。

石井氏もゲッツーでセカンドからの送球が、

・指に引っかかって(体の右側に)来ると捕球しにくい

・体の左側に来た方が対処しやすい

と述べています。

源田選手は特に発言していませんが、「シュート回転がよい」という点にうなずいていました

 

ステップの仕方(7:54〜)

鳥谷氏は、

・全部前に出すようにめちゃくちゃ意識していた

・右足を前にする→体が送球したい一塁方向へ向かう

・右足が後ろになる→体はそのまま流れてしまう

・二遊間のゴロは右足を前に出せば、右足を軸足にしたスローができる

と述べています。

 

それに対して源田選手含め全員、

二遊間のゴロに対して右足前はできない

と反応しています。

 

それに対して小坂氏は、

・右足前ができなかった

・右足は左足の横に持って行っていた

・体のサイズが小さい分、送球に体全体を使う際、右足後ろのときもあった

石井氏は、

・(右足は左足の)前

・送球方向へ歩いていくイメージ

宮本氏は、

・「右足は前」と言うと子どもたちは極端に前になりクロスしてしまう

・「右足は左足付近」と指導する

・結果的に、左足の横or左足のちょっと前に右足は運ぶことになる

・二遊間は右足は後ろになる

と述べ、鳥谷氏は珍しいとのことでした。

 

それに対して鳥谷氏は、

・二遊間も前に出した右足を軸にして送球できるよう練習をした

・外国人はそうして投げられるのはどうしてか考えた

・そう足を運ぶとパワーが生まれて送球できた

と述べると宮本氏は、楽な方を選んだとして、

「二遊間は右足後ろにして体を一回転させて送球」

していたと発言します。

 

それに対して、

鳥谷氏は「一回転はできるだけしたくなかった」と返し、

源田選手は、

・一回転して送球は苦手

・右足は後ろで体は流れながら右足軸の送球

→できるだけ早くスローイングするため

小坂氏も、

「一回転は送球先が目線から消えるのでダメ」

と述べ、右足は左足の後ろに行きながら通常の送球をするようなジェスチャーをされています。

 

逆シングルについて(10:45〜)

宮本氏は、

・グラブは引くのではなく、前に出す

・ファーストのショートバウンドの捕球のイメージ

・バウンドに合わなかった場合に引くケースもある

鳥谷氏は、

・逆シングルも正面の打球だと思って、グラブは前に出していく

・そうすることで送球する方向に向かっていける

・引くと距離が出てしまう

・引くのは最後の手段

と述べています。

それに対して源田選手は「逆かもしれない」と以下のように発言しています。

・基本的には引く

・バウンドによっては出すこともある

・引く動作を送球動作へ吸収するイメージ

石井氏は、

・グローブは引かずにそのまま真っすぐ(置いとく)

・引くと送球動作が煽る(ボールが浮く?)

・グラブはそのまま置いて、右足に体重を乗せて力のベクトルを送球方向へ向ける

・指導するときは柔らかいハンドリングを意識してもらうために

小坂氏は、

・不器用だからゆるいゴロは正面に入る

・速い打球は自分が走っているライン上にグラブを出す

・グラブはそのまま置いて、右足に体重を乗せて力のベクトルを送球方向へ向ける

・手でグラブを操作しようとすると固まる

・肘で捉えるイメージ

と述べています。

 

チャージ時の捕球位置(14:45〜)

ゆるいゴロの打球に対して前にダッシュしてチャージする場合について、

・打球の転がるラインから体を入れるor外す

・グラブの出し方

について尋ねています。

 

石井氏は、

外した方が(グラブ側の手が)伸びる

と述べています。

源田選手は、

・ラインから外す

・グラブはすくい上げるというより前に

という話にうなずくなどして同調されていました。

 

鳥谷氏は、

・「最悪前に転がってくれ」と思い、すくい上げるというより前

・前に転がればキャッチャー

宮本氏は、

・最後にラインに体を入れる

・手も体も後ろにそらさないための保険をかけてた

・左足で捕球し、次に出す右足を軸に送球してた

→立浪氏が高校のときそうしていて真似した

・ただし、ラインに入れない方が捕りやすい

と述べています。

 

スナップスローについて(16:15〜)

宮本氏と石井氏は、「特にない」とのこと。

 

小坂氏は、

・スナップスローと思ってスローすると指が余計に引っ掛かる

・肘を(中心に)回して(手のひらを)返す

・肘を固定して肩関節の内旋運動で回す

→スナップ(手首)だけでは弱い

→肘を中心に返すことで肩が使える

→スローイングまでに間ができ(セカンドの入りに合わせられる)

 

源田選手は、

・僕も(小坂氏と)一緒

・肘から先で(スローイング)

・ファーストへ、ゲッツーへの送球も同じ

 

鳥谷氏は、

ファーストと異なりゲッツーは肘から先

 

宮本氏は、

・手は意識したことがない

・足のリズムが合えば勝手に腕が振れる

と述べるのに対して、小坂氏は、

・意識しないとできなかった

・色々試していく中で自分のやり方をみつけていった

と返しています。

 

その他、ゲッツーの動作に関して、

・広岡氏と辻氏は似ている

・カル・リプケンと久慈氏は似ている

といった興味深いお話が最後に出てきています。

 

ジャンピングスローについて(19:35〜)

小坂氏は、

・全くしなかった

・ボールが抜けてしまう

とのことでした。

その後、宮本氏がどちらの足を使って投げるか問いかけると、4氏ともどちらの足を使うかはどの方も意識したことがない様子でした。

改めて確認していくと、宮本氏、石井氏、鳥谷氏は「右足」とのこと。

一方、西武ライオンズの元監督である辻氏は左足でジャンプするとのことで、そのためか源田選手は改めて確認すると「右足だけでなく左足も使う」とのことでした。

 

素手捕球について(21:20〜)

宮本氏は、

・ショート:投手の後方のゆるいゴロは距離が近い→素手で捕球&送球

・サード:素手捕球はだいたいセーフ→足でまたいで強く投げる

と主張するのに対して、石井氏は、

「どちらが速いかタイムを測ってみるとよい」

と述べています。

 

鳥谷氏は、

・素手で捕球したことはない

・練習でしてみたら痛いだけだった

と話し、素手で捕球するメジャーリーガーのプレイに対して、

宮本氏、鳥谷氏は「グラブで捕ればよいのでは」

石井氏は「一種のパフォーマンス」

と述べています。

 

一方、源田選手は、

・ボールを追っていてイレギュラーで右に跳ねた

→グラブがどうしても使えないとき素手キャッチをしたことは何度かある

と発言しています。

 

練習にいかそう!ショートの守備のコツ〜宮本慎也のYou Tube③〜

今回の動画では、

・足の使い方

・スタートの切り方

・正面の打球の合わせ方

・守備の腰の高さ

・握りかえのコツ

・ボールの捕球位置

について語られています。

 

足の使い方(1:25〜)

宮本氏は、

・上体が前にいかないように足が先に行くイメージ

→上体が前だと足が動かない

・極端に言うと上体は右に傾くくらい

・足が先に出て体が前に行かない≒下半身が使えている

・投げるではなく足でボールを運ぶ≒足を使う

 

源田選手は、

・投げ終わりに一塁方向に歩いていくようなイメージ

・スローイング後、動きが止まるor体が後ろに行く人

→上半身でスローイングしている

・投げ終わりにそのまま近づいていく

→いわゆる「足を使っている」

 

石井氏は、

・ボールと衝突しないように小刻みに(足を)使う

→(ゴロと体が)衝突しないよう間を作ることができる

 

小坂氏は、

・送球までのリズムとテンポをよくするため足を使う

・胸の下あたりに(捕球)ポイントを作っている

・足を動かすことでポイントに(ボールが)入ってくれる

・歩くように「右→左」のリズムで、左足のタイミングでポイントにボールをおさめる

 

鳥谷氏は、

・上半身の力をどれだけ抜けるか

→体が前に行ったり、体が後ろに残ったりしないようにする

→結果的に足を使うしかない

・腕を振ると上体がブレる

→(90度くらい曲げた肘から先の手は)ブラんとさせる

・足で捕球に向かっていく

→結果的に足が使えて、投げたあと一塁側へ向かっている

・上体に入った力の加減で(足の使い方は)変わる

と述べています。

 

スタートの切り方(4:40〜)

鳥谷氏は、

・サーブを受けるテニスの選手のように(バットとボールが)当たる瞬間に体を浮かす

・先に着地する足は予想される打球方向によって右と左をかえる

→打球が右に来そうなら右へ、左に来そうなら左へステップ

源田選手鳥谷氏と同じだと述べています。

 

石井氏も、鳥谷氏と同じと発言しつつ、

・後ろめに守っておき、投手が投球動作に入ると前に歩きながらステップする

と述べています。

 

小坂氏もステップを入れるのは同じですが、

・両足同時に着地する

・移動したい反対側の足の膝を内側に入れてスタート

宮本氏は、

・バットとボールが当たると同時に右足前

・右の打球はそのままステップ、左の打球は右足で踏ん張って左へ

と述べています。

 

正面の打球の合わせ方(6:15〜)

石井氏より、

「左右の打球は足を使えるが、正面の打球は足が使えない、間がとれない、固まる」

とのことで、正面の打球の対応方法について投げかけています。

 

源田選手は、

・グローブを持った腕のラインをずっとボール(のライン)に置いとく

・速い打球は体の向きを正面から外す

→体の向きを左向きへ替えることで、ボールのラインにグラブの腕を置く

・速い打球はまずグラブを下に降ろす、下から出す準備をする

 

それに対して宮本氏は、源田選手左手を打球のラインに合わせる対応方法を「指導しやすい」と絶賛され「早速パクる」と冗談交えて発言されています。

そして、宮本氏と鳥谷氏が速い打球への基本の対処方法「グラブを下におろす」ことは、

・自信がない&体が緊張して固まっている→グラブが上がる

・いかに脱力できるか

・脱力していれば、イレギュラーして体に当たってもボールは体の近辺にある

と必要性を述べています。

 

守備の腰の高さ(8:30〜)

昔は、

・低い姿勢でかかとを上げていた

・指導者に後ろから低い姿勢を保つよう押さえられて、ダッシュさせられていた

といったエピソードが聞かれていますが、

鳥谷氏は、

・自分が1番動きやすい高さ

・(サーブ待ちの)テニスの選手(の構え)は参考になる

 

宮本氏は、

・サッと動ける楽な(姿勢の)ポジション

・ショートは360度動かないといけない

・キャッチャーのサイン、投手の球、打者の(バットの)軌道もみえる

と「ショートはみんな(腰は)高い」と述べています。

 

一方、サードも経験している宮本氏、石井氏、鳥谷氏は、

・逆にわざと早く動かないように低く

・(サーブを待つ)バレーボール選手の構えが参考になる

と対比して述べられています。

 

握り替えのコツ(10:13〜)

鳥谷氏は、

・早く右手に持ち替える

源田選手は、

・ステップの時間を長く取れれば上(握り替え)の時間も長く取れる

石井氏は、

・捕球したらすぐ割るので、上手く握れていなくても投げてた

宮本氏は、

・捕球後、グラブを胸まで持って行く道中でボールを握る

小坂氏は、

・ボールをグラブに当てて右手で蓋をしている間に持ち替える

・右の手のひらを下にした状態でボールをクルクルと回す訓練をしていた

最後に宮本氏が、

・グラブの芯で捕ると握り替えが易しくなる

・普段のキャッチボールからグラブの芯で捕る

→芯に右手が行く

→脳と手の不一致が減って、握り替えのミスが減る

・「捕って速く」しようとして「手」を急ぐのではなく「足」の動きを速くする

と述べています。

 

打球の捕球位置(13:13〜)

宮本氏は、

・左足が前に行き過ぎないように

→前に行くと右足が左足の後ろに行く

・左足は右足よりつま先がちょっと前くらい

・体の真ん中よりやや左

 

鳥谷氏は、

・基本的にはやや左側で捕球するイメージ

・捕ったところに足を出したい

・グラブと足の位置関係は、捕球するポイントと送球する方向の角度によって変わる

 

源田選手は、

・真ん中からやや左で捕球するイメージ

・(イレギュラーなど)打球によっては右側で捕球することもある

 

小坂氏は、

・自分の視野に入るところで捕球

・体が突っ込まないようにしながら胸あたりのポイントで捕球

と述べています。

 

最後に宮本氏から、源田選手シングルハンドでの捕球が多いことを指摘されています。

その点は源田選手も認めています。

前述した源田選手のグラブの特性なのか、「シングルでもボールがしっかり収まる」とのことでした。

一方、通常のグラブでのシングルでの捕球はボールの収まりや握り替えの問題があります。

そのため、宮本氏は「源田選手の守備を真似するのは基本の技術が身についてから」にすることを強く推奨されています。

 

また、鳥谷氏が源田選手のシングルでの捕球は、阪神の守備職人であった久慈氏に似ているとも指摘しています。

大きめのピッチャーみたいなグローブを使っていたそうで、やはりグラブが源田選手のものと似ていたそうです。

 

練習にいかそう!ショートの守備のコツ〜宮本慎也のYou Tube④〜

最後に座談会の動画が2本挙げられています。

そのうち、守備の上達に関係しているものをまとめています。

 

やっていた練習方法(0:35〜)

宮本氏は、

・イメージトレーニング

→グラウンドでエア守備をする

 

小坂氏は、

・壁当て

 

源田選手は、

・テニスボールを使った守備練習

→10mくらい離れた所からノック

→守備側は膝立ちや中腰でハンドリングで捕球

・グラブを持つ手に力が入っている

→テニスボールは軽いため弾いてしまう

・最後に吸収できるよう力を抜いて捕球

 

鳥谷氏は、

・You Tubeのメジャーリーガーのショートのスーパープレー集をひたすらみる

→体の使い方、足の運び方をどうやっているのか考える

→ノックのときにその体の使い方をひたすら練習

 

石井氏は「特にない」、とそれぞれ述べています。

最後に宮本氏が「基本練習はみんなやっている」と発言すると、全員うなずいていました。

そして、基本練習が一番大事と述べています。

 

野球で成功するために必要なもの(2:35〜)

鳥谷氏が

・野球で成功するために必要なものは何か?

・例えば「心・技・体」の順番で言うとどうか

と問いかけています。

 

それに対して宮本氏は、

・①体②技③心

→体力がないと練習ができない

→練習できて技術が身につく

・割合的には心50:体・技50

 

小坂氏は、心技体に関して「どうなんですかね…」と困惑気味。宮本氏が色々と投げかけていくと、

・スピードが武器であったためそれを活かした

・体力面は不安な要素があった

・①体②技

 

源田選手は、

・「短所を引き上げる」より「長所をもっと突き抜けるように」を意識していた

→社会人のとき「守備」に振り切ってひたすら練習した

→社会人で9番バッターながらプロに入れた

・良いところを伸ばすこと

 

石井氏は、

・自分の礎となったのは練習量

→それを支えたのは「体」、そのど真ん中にあったのは「心」

・気持ちが充実していないと「体」は動かせない

・「心」の枝葉に「体」「技」が付いているイメージ

 

鳥谷氏は、

・①体力②心③技術

・自分より「技術」が長けている人はたくさんいた

→「心」や「体力」がなくて野球を辞めていった人を見てきた

・逆に「技術」はないが、「体力」「心」がある人で「技術」がついてくる人は多くみてきた

→後からついてくる技術は大きくなるような気がする

とそれぞれ述べられています。

 

そして最後に、宮本氏が「考える」ことの重要性も付け足しています。

「ああじゃない」「こうじゃない」「これがいいんじゃないか」と考えながら、「野球と長く向き合えた人」が成功していくのではないか、と今回の企画で改めて思わされたと述べています。

 

おわりに

いかがでしたか?

各名手の守備のポイントはそれぞれ微妙に違っていました。

体の作りや体の使い方は人それぞれ違います。

自分にとって1番スッと入っていくる守備のポイントをみつけて、そのポイントを意識しながら練習してみましょう。

 

それでも源田選手が1番、源田選手のようになりたい!という方は下の動画をどうぞ。

 

源田選手のコメントをまとめたものは下の記事になります。

小坂氏のコメントをまとめたものは下の記事なります。

では。