太陽光、実際どうなの?1年間パナソニックの4.5kWをつけてみて

令和2年12月から新築マイホームの屋根に、パナソニックの太陽光パネル4.5kWを取り付けた筆者。

ZEHの申請に必要なサイズよりは小さく、ハウスメーカーから必要最低限と言われたサイズです。

今回は、

・その経緯

・費用

・1年間の発電状況と光熱費の変化

・注意点

・所感

を述べていきます。

太陽光発電って実際どうなの?

といった疑問をお持ちの方は、ぜひご覧ください。

太陽光発電をつけた経緯

太陽光パネルがのった家

筆者が居住している県は比較的台風が多い場所にあります。

そのため子どもの頃、台風が通過した後、時々地区一帯が停電になることがありました。

そうなると冷蔵庫は開けられない、テレビがみれない、ゲームができない、夜になると暑苦しいなか寝るしかない、と不便極まりない訳です。

これを現在に置き換えると、スマホの充電ができない・使えない、リモートワークができない、平均気温が上昇しているなかエアコンが使えない、といったことが想定されます。

そうした背景から、マイホームで発電し、消費することができる太陽光発電は、選択肢としてどうしても入ってきました。

 

パナソニックの太陽光発電システムにかかった費用

太陽光発電システムにかかった費用

しかし、ここで問題になるのが費用。

 

当初の予定5.5kWの費用

前述したようなマイホームで太陽光で発電し、消費するためには、「太陽光パネル」を設置し「パワーコンディショナー」なるもので、電力会社と電線でつながり、売電や買電、消費していくことになります。

太陽光パネルは、国内メーカーか韓国のメーカーかの選択から始まり、(詳細は忘れましたが)最終的にパナソニックに落ち着きました。

そして、当初ハウスメーカーから見積もりで提示されたのは、250W×22枚(5.5kW)で1,400,000円(税別)。

その後、マイホームの建設と話し合いが着々と進む中、色々と諸経費が積み上がり予算オーバー。

見積もりで費用を削減できるところを探すことになります。

 

4.5kWの費用~252Wと250Wのパネルの設置の違い~

その結果、家族構成を考えると5.5kWから4.5kWに減らすことも可能ではないかとなり、4.5kWに変更。

その結果、既存の250kWより最新の性能がわずかに良い252Wのパネルを設置する予定になります。

しかし、そのパネルはPS工法で設置する必要があり、屋根に穴を開けないといけないことが判明。

家の耐久性を考えると、屋根に穴を開けるのは気が引けたため、既存の250kWに変更。

結果的に、252W×18枚(4.56kW)の1,100,000円(税別)から、250W×18枚(4.5kW)の1,090,000円になります。

結果的に31万円の出費の削減をしました。

 

発電状況と光熱費

パナソニックの太陽光発電のモニター

上の画像はパナソニックの太陽光発電のモニターの様子です。

テーブルに置ける縦11cm、横18cm程度の薄型のモニターがタイムリーに現在の発電と消費、それによって買電か売電、それぞれの量を知らせてくれます。

画像の日は太陽光が稼働し始めた日で、あいにくの曇りでしたので、買電になっています。

イメージとしては、雨の日は買電が売電を上回りますが、多少晴れ間がある日は売電が上回ることが多いです。

 

我が家の売電価格

ちなみに売電価格は、売電が正式に始まった平成21年は48円/kWhでしたが年々下げられ、筆者が契約した令和2年度は21円/kWhになっています。

住宅用太陽光発電の買取期間は10年間と決まっていますので、令和2年3月から稼働しているわが家の場合は令和12年3月以降売電は終了となります。

ちなみに売電価格が高く恵まれたように感じる平成21年ですが、当時の設置費用は現在の3倍の300万円前後かかっていたそうです。

 

令和3年3月の発電状況と光熱費

月別のパナソニックの太陽光発電のモニター

上の画像は、3月の発電状況です。

稼働した日と翌日、28日は雨天や曇りだったのか発電が悪いですが、その他は上々です。

 

月々の光熱費が分かるパナソニックの太陽光発電のモニター

モニターは下の項目が表示されているパネルをタッチすることで、上の画像に切り替えられます。

3月は売電額が3,759円、買電額が3,173円となり、収支は586円プラスとなっています。

 

令和3年4月の発電状況と光熱費

月々の発電量が分かるパナソニックの太陽光発電のモニター

上の画像は4月の発電状況になります。

雨天は6日程度で、30kWh近く発電している日が多く天気が良い日が多かった印象です。

 

月々の光熱費が分かるパナソニックの太陽光発電のモニター

結果的には、上の画像のように売電額が11,880円、買電額が7,495円と収支が4,385円プラスとなりました。

電気代を大きく上回り、太陽光発電を設置した初期投資分をまかなってくれる期待をされてくれる結果になりました。

オール電化に、洗濯乾燥機、食洗器、エコキュートを装備し、電力会社と夜間帯に光熱費が安い契約をした我が家。

深夜に洗濯や皿洗いを済ませていることも、買電の費用を抑え、収支をプラスにさせられた要因かと思います。

 

令和3年5月の発電状況と光熱費

梅雨の時期の太陽光発電のモニター

上の画像は5月の発電状況になります。

令和3年は例年より梅雨入りが早く、15日には梅雨入りが発表されました。

グラフでも晴れの日が少ない状況がみてとれます。

 

梅雨の時期の太陽光発電のモニター

それでも上の画像のように売電が買電を上回っています。

なんと売電額が8,795円、買電額が6,697円と収支が2,098円プラスとなりました。

意外にも、雨天が多い梅雨時期でも収益がでるのは心強い結果になりました。

 

令和3年6月の発電状況と光熱費

梅雨の時期の太陽光発電のモニター

上の画像は6月の発電状況になります。

令和3年は例年より雨の日が少ない梅雨となりました。

グラフでもその状況がわかります。

 

梅雨時期のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの売電と買電

当然、晴れの日が多いため売電9,133円と前月の8,795円を上回りました。

一方、気温と湿度の上昇により、エアコンは家にいる間はずっと稼働していました。

それでも買電は前月と大きく変わらず。

売電額が9,133円、買電額が6,788円と収支が2,345円プラスとなりました。

天候に恵まれたとは言え、気温が高くなった梅雨の6月も収益が出る結果に。

 

令和3年7月の発電状況と光熱費

7月のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの発電状況

上の画像は7月の発電状況になります。

令和3年は7月中頃に梅雨明けを迎えましたが、6月同様、例年より雨の日が少ない7月となりました。

そして梅雨が明けるとともに、晴天が続きました。

 

7月のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの売電と買電

売電は8,794円でした。

6月に比べ7月は平均気温が4~5℃上昇しましたので、エアコンはフル稼働。

結果的に、買電は7,957円と大きく上昇。

売電額が8,794円、買電額が7,957円と収支は837円プラスという結果になりました。

雨が少ない梅雨でしたが、売電はそれほど伸びず、気温の上昇とともに買電が跳ね上がり、少ない収益に。

夏になったら日差しが強まるともに、売電が上がるようなイメージがありましたが、そういうものでもないようです…。

 

令和3年8月の発電状況と光熱費

夏(8月)のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの発電状況

上の画像は8月の発電状況になります。

令和3年の8月は中旬ごろは西日本各地で線状降水帯が発生。

観測史上最多雨量になるなど大雨の日が続きました。

曇りの日も多く、通常の8月と比べると晴れの日が少ない状況でした。

 

8月(夏)のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの売電と買電

売電は6,810円でした。

雨天や曇りが多く、売電はまさかの過去最低に。

 

そして令和3年の7月の平均気温は28℃で、雨の多かった8月は27℃でした。

湿度と気温が高いため、やはりエアコンはフル稼働。

結果的に、買電は8,162円と過去最高に。

 

売電額が6,810円、買電額が8,162円と収支は1,352円マイナスという結果になりました。

エアコンは一日中フル稼働な中、晴れの日が少ないという珍しい令和3年の8月。

初の赤字となりました…。

 

令和3年9月の発電状況と光熱費

9月のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの発電状況

上の画像は9月の発電状況になります。

令和3年の9月は、前半は曇りの日もありましたが、比較的安定した天候でした。

 

9月のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの売電と買電

売電は8,491円でした。

9月の平均気温は約26℃と、エアコンは毎日稼働しました。

しかし中旬から下旬の夜~朝にかけては涼しい日も増え、エアコンいらずの時間帯もありました。

 

結果的に、買電は7,354円と減少。

売電額が8,491円、買電額が7,354円と収支は1,137円プラスという結果になりました。

結局、天候がよくエアコン稼働が減れば、収益がでますね。

 

令和3年10月の発電状況と光熱費

10月のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの発電状況

上の画像は10月の発電状況です。

令和3年の10月は雨の日は一日のみと、晴れの日がほとんどでした。

 

10月のPanasonicの4.5Kw太陽光パネルの売電と買電

売電は9,777円と、上々です。

10月の平均気温は約21℃でした。

エアコンの稼働は9月に比べ少なくなりました。

しかし、買電は8,754円と増加。

売電額が9,777円、買電額が8,754円と収支は1,023円プラスという結果になりました。

結局、エアコン稼働は減ったはずなのに買電が増加…。

仕事帰りの妻のメンタルを考慮して、朝から食器洗い乾燥機の使用し、その頻度が増加した影響?

ここらは検証が必要です。

 

令和3年11月の発電状況と光熱費

上の画像は11月の発電状況になります。

令和3年の11月は、晴れの日と曇り・雨天の日の割合はほぼ半々でした。

 

晴れの日が少ない分、売電は6,059円と減少しました。

11月の平均気温は約13℃と気温低下とともに、エアコンの稼働率は増えています。

しかし冷え込みはそれほど強い訳ではなく、フル稼働とまではいかない時期。

結果は、買電は12,889円と大幅に増加。

売電額が6,059円、買電額が 12,889円と収支は6,830円マイナスという結果になりました。

12月時点で10月、11月の買電増加に気づいたため、要因を探り追って報告します…。

 

令和3年12月の発電状況と光熱費

上の画像は12月の発電状況になります。

令和3年の12月は、晴れの日が多く、曇り・雨天の日は少ない月でした。

 

晴れの日は多かったのですが、売電は5,980円と減少しています。

晴れの日で20kWhを超える日がありません。

冬になり太陽が低く、日照時間が短いことの影響でしょうか。

そして冬になり、気温低下とともにエアコンはフル稼働。

 

結果は、買電は17,887円と爆増…。

売電額が5,980円、買電額が17,887円と収支は11,907円マイナスという結果になりました。

エアコン以外の買電増加の要因は不明です。

とりあえず冬の発電力の低下は顕著でビビりますね…。

 

令和4年1月の発電状況と光熱費

上の画像は1月の発電状況になります。

今年(令和4年)の1月は、晴れの日は22日間、曇り・雨天の日は9日間でした。

 

売電は6,159円と前月からは微増しました。

晴れの日で20kWhに到達する日が少しずつ出てきました。

冬至を過ぎ、日照時間が伸びてきた影響でしょう。

 

真冬の1月は当然エアコンはフル稼働。

結果、買電は18,279円と爆増継続。

売電額が6,159円、買電額が18,279円と収支は12,120円マイナスという結果になりました。

…冬の間は収支は期待しない方がよさそうです。

 

令和4年2月の発電状況と光熱費

上の画像は2月の発電状況になります。

今年(令和4年)の2月は、晴れの日は22日間、曇り・雨天の日は6日間でした。

 

売電は6,116円。

晴れの日の日数が同じだけあって前月とほぼ同じです。

20kWhを越える日が確実に増えています。

やはり日が出ている時間が延長している影響でしょうね。

 

2月も気温は低くエアコンはフル稼働でしたが、後半は設定温度を多少下げてみました。

そのせいか、買電は16,305円と前月に比べ少し抑えることができました。

結果、売電額が6,116円、買電額が16,305円と収支は10,189円マイナスでした。

 

いつ太陽光発電の初期費用分を取り戻せるか

ここでは、取り付けたばかりの頃の夢をみていた頃の皮算用のコメントと、1年間の推移から現実みたコメントをのせておきます。

 

取りつけ当初の皮算用

いつ太陽光発電の初期費用分を取り戻せるか

まだ実績が少ないですが、いつ初期費用分を取り戻せるか考えてみます。

5月の売電額が約12,000円であったことを考え、月々同様の推移をしたと仮定すると、年間12,000円×12か月=144,000円の売電額となります。

21円/kWhという買取価格は10年間据え置きですので、10年で1,440,000円売電となります。

維持費もかかるとは言われていますが、単純計算でいくと初期費用の1,090,000円を大きく上回り、充分に元が取れる計算になります。

そういう意味では、売電価格が下がっているとは言え、お金だけで考えても太陽光発電を設置することは価値はあると思います。

 

1年間の収支の推移から

売電買電収支
R3.33,759円3,173円586円
R3.411,880円7,495円4,385円
R3.58,795円6,697円2,098円
R3.69,133円6,788円2,345円
R3.78,794円7,957円837円
R3.86,810円8,162円-1,352円
R3.98,491円7,354円1,137円
R3.109,777円8,754円1,023円
R3.116,059円12,889円-6,830円
R3.125,980円17,887円-11,907円
R4.16,159円18,279円-12,120円
R4.26,116円16,305円-10,189円
91,753円121,740円-29,987円

1年間の売電と買電、収支の推移を上の表にのせてみました。

 

売電は、令和3年3月は期間が短い結果ですが、その他の月から想像すると3,000円ほど上乗せできるかと思います。

年間の売電は約95,000円という結果になりました。

太陽光発電の取り付け費用に1,090,000円かかっていますので、取り返すには11年強かかる計算になります。

売電期間は10年ですので、完全に取り返すのであれば蓄電池で自家発電しないといけません(蓄電池購入でまた費用がかかるのですが…)。

 

年間を通した収支は29,987円マイナスでしたが、年間光熱費が約3万円と考えれば、月の光熱費は2,500円です。

年間買電は121,740円ですので太陽光がないと、月の光熱費は1万円となります。

月7,500円、年90,000円浮いたと言え、そういう意味ではかなりお得と言えます。

 

太陽光発電を申請する上での注意点

ここまで読んで、なぜ令和2年12月に入居してるのに、太陽光発電が稼働し始めたのが翌年の3月なの?と感じた方もいるのではないでしょうか。

太陽光発電を申請するまでの流れは以下のようになっています。

①電力会社との契約

②資源エネルギー庁から事業計画認定を受ける

https://earthcom-eco.jp/column/tax-saving/delay-solar-equipment-certification

②の経産省の資源エネルギー庁の認定にかかる期間は、以前は1~2か月だったそうですが、最近は3~6か月かかるようになっているそうです。

我が家は夏から秋頃には申請書類を作成した記憶がありますので、経産省へ申請し、稼働するまででずいぶん期間を要したことになります。

ですので、ハウスメーカーと話し合い、可能であれば入居予定日より半年ほど前から申請をしておくと、入居日あたりから太陽光発電が始められるのではないでしょうか。

 

おわりに

巨大台風などの災害も増えている日本と、脱炭素社会へひた走る世界。

そうした社会で、太陽光発電と蓄電池をマイホームに装備し、電気自動車で生活する。

持続可能な社会、時流に合ったマイホームで暮らす。

それを身をもって我が子には体感してもらいたい。

 

そんな少し背伸びした想いもあります。

そして実際、太陽光発電が稼働し始めるとその背伸びした想いも案外、現実的だと感じています。

もちろん、蓄電池や電気自動車がもっと世に出回り、値段が下がるのが大前提ですが。

 

いずれにせよ太陽光発電を取り付けるのは大きな買い物です。

これから取り付けを考えている方は、試しに一度無料の住宅用太陽光発電・見積をしてみるのも手かもしれません。

全国約450社の登録販売施工会社から厳選した見積もりをしてくれるそうです。

 

ちなみに、わがマイホームの設備について気になる方は、下記の記事をご覧ください。

今回の記事が読者の皆さんの豊かな暮らしの一助になれば幸いです。

では。