- 肩コリに悩まされている方
- 「肩甲骨を動かしましょ~」と言われてもイメージがわかない方
- 柔らかい柔軟性のあるカラダを手に入れたい方
- 筋トレやスポーツを怪我なく楽しみたい方
- 肩甲骨と背骨・肋骨との関係が分かる
- 肩甲骨の動きが広がり肩まわりが楽になる
- 肩コリへの対処方法が分かる
- 我が子を抱っこ出来る豊な子育てが送れる!
①肩甲骨は「腕の骨の受け皿」
②その受け皿である肩甲骨は、肋骨で囲まれた箱「胸郭」の上を滑り回る
③その胸郭は、肋骨と背骨との関節「肋椎関節」で箱の面の傾きを変える
④それによって、三次元に自由な腕の動きを肩甲骨が担保できる!
ポイントで難しく感じた方も読み進めていくと、理解が深まるはず!
では行ってみましょう!!
肩甲骨は腕の受け皿
肩甲骨ってよく耳にしますよね。
「肩甲骨を柔らかく~」「肩甲骨をしっかり動かしましょ~」って体操も良くあると思います。
でも、肩甲骨を動かすって良く分からなくないですか?
そもそも肩甲骨って何なんでしょうか?
肩甲骨Scapulaは三角形の扁平な骨で、広い背側面から肩甲棘が突出している。肩甲棘の末端は膨らんで肩峰となり、鎖骨と結合している。肩甲骨の上外側角には関節窩という皿状のくぼみがあり、上腕骨骨頭と肩関節(球関節と分類される)をなす。…(以下省略)
引用;からだの構造と機能 A.シェフラー,S.シュミット 編 三木明徳,井上貴央 監修 西村書店
…いや!!難しい!
ちょっと難しいですよね。
先ほどの引用のポイントをしぼると「三角形の骨で、外側に皿状のくぼみがあり、そこで腕の骨を受け、肩という関節を作っている」ということです。
シンプルに言うと「腕の骨の受け皿」と言えるかと思います。
ヒトって色んな方向に手を伸ばせますよね。
モノを取ったり、時にはカラダを支えたり…。
その動きを担保しているのが俗に言う「肩」という関節。
その肩を構成する主要な関節が腕の骨(上腕骨)と肩甲骨。
先っちょが丸みのある腕の骨を受け入れるお皿の一部、それが肩甲骨という訳です。
腕がお皿からおぼれないように動き回る肩甲骨
手を伸ばすたび、カラダを支えた手を中心に移動するたびに、腕の骨の位置や向きは変わりますよね。
その位置や向きに合わせて肩甲骨の受け皿も動かないと、脱臼したり衝突したりしちゃう訳です。
皿から腕がこぼれないように、受け皿の向きを変えるべく肩甲骨も動き回る訳です。
肩甲骨は胸鎖関節、肩鎖関節の動きをともなって胸郭上を運動する。…(中略)上下方向10~12cm、内外転15cm、回旋は約60°の可動域がある。回旋は、関節窩が上方または下方を向くような動きである。水平軸に関しての前傾、後傾の動きを傾斜という。
引用;基礎運動学 中村隆一 齋藤宏 長崎 浩 著
と言われてもピンとこないと思います。
下の動画はイメージしやすいはずです。
皿からこぼれないように、丸みのある腕の骨を追っかけていく肩甲骨の様子が分かると思います。
ここで一つ重要な問いがあります。
では、その肩甲骨はどこを動いているのか?
当然、空中を動き回っている訳ではありません。
胸郭という箱の上を動き回るお皿・肩甲骨
答えは「胸郭」の上を滑っているのです。
いや、胸郭ってなに~??
胸郭thoraxは胸骨、肋骨、胸椎から構成されている。胸郭は、心臓や肺などが入っている胸腔と、腹腔の上部を取り囲んでおり、全体的には上下に開いた釣り鐘の形をしている。…(以下省略)
引用;からだの構造と機能 A.シェフラー,S.シュミット 編 三木明徳,井上貴央 監修 西村書店
シンプルに言うと、肋骨の箱といった感じです。
箱の中には呼吸に関わる肺や血液を送り出す役割の心臓が入っています。
その箱の背面上を肩甲骨は滑っているのです。
言わばエアホッケーの台が胸郭であり、その上を滑る円盤やスマッシャーが肩甲骨。
てかエアホッケーの円盤を打つやつ、スマッシャー言うんだ…笑
そしてその箱の面の傾きも背骨(胸椎)との関節「肋椎関節」を軸に変わります。
それによって三次元的に動き回る肩甲骨の動きを担保しているのです。
実際に肋骨や肩甲骨を触りながら、手を挙げたり下げたりしてみると動画のような動きを実感できるはずです。
手や腕が多方面に動くことが出来るのは、肩甲骨や肋骨などの胸郭が動いてくれているからなのです。
肩コリのメカニズム
では、何が肩甲骨や胸郭を動かしているのか?
ここも答えはシンプルに筋肉です。
意識的に動かさなくても筋肉が反射的に働きます。
例えば、寝ている人の腕を大きく動かしてみても、肩甲骨や胸郭は一緒に動いてくれます。
肩の関節まわりには、動きを感知するセンサーが豊富にあります。
センサーが動きを感知すると、意識を司る脳より下部組織である脊髄神経に情報が送られます。
脊髄神経から筋肉に指令が出て、腕の骨と肩甲骨のお皿が衝突したり、脱臼せずに済むのです。
腕が上がっとるでぇ~
この高さならこの筋肉が働きな~
うい~っす
前述したように、腕の骨が肩甲骨のお皿からこぼれないようにセンサーが働きますので、
・腕が下がっている時は、主に肩甲骨からみて上に位置する筋肉が働く
・腕が上がっている時は、主に肩甲骨からみて下に位置する筋肉が働く
といったメカニズムがあるのです。
日常生活での肩コリのメカニズム
ですので例えば、買い物で荷物を持っていたり、赤ちゃんを抱っこしていたとします。
腕の位置は、下がっていますので、肩甲骨からみて上に位置する筋肉が無意識に頑張っている状態です。
その他の日常でも腕が上がった状態で作業するより、圧倒的に下がった状態で作業をすることが多いはずです。
そして当然、腕はカラダの前に来て作業しますよね。
だんだん、前かがみや背中が丸くなった姿勢になりがちです。
カラダの前の筋肉は縮こまり、肩甲骨周りなどカラダの後ろの筋肉は伸ばされた状態で働き続ける。
筋肉は基本的に、縮んだ状態より伸ばされた状態で働く方が負荷がかかった状態になります。
おのずと肩甲骨からみて上に位置する筋肉、つまり一般的に肩コリを感じる場所の筋肉が疲れる訳です。
その他、肩コリに影響する可能性が高いものとして、
・夜泣きによる夜間不眠
・育児や家事、仕事で時間を追われる日常
・スマホし過ぎによる眼の疲れ
などがあります。
これらは首から胸のあたりの背骨(胸椎の上の方)から出ている自律神経を興奮させることになります。
そのため、肩甲骨まわりが硬くなり、肩コリを感じる訳です。
詳細はこちらで分かりやすく述べています。
肩甲骨の動きを良くするには?
ズバリ言いますね。
丸めたバスタオルやヨガマットにカラダを乗せるのです!
えっ⁉どういうこと⁉
前述したように、肩甲骨が柔軟に動き回るためには、胸郭という箱の上を滑る必要があります。
その箱の面は肋骨で構成されており、背骨(胸椎)との関節「肋椎関節」によってその面の向きを変えるのです。
それによって三次元に肩甲骨は「ス~イスイ」と腕の動きに合わせて動くことが出来るのです。
そしてその肋骨と胸椎との関節「肋椎関節」や、そのまわりの筋肉にダイレクトに効くのが、「丸めたバスタオルやヨガマットへの縦乗り」という訳なのです。
とにもかくにも、胸椎と肋骨の関節(肋椎関節)を柔らかくしましょう。
本当にそんなんで効くの…??
やり方を詳しく教えなさいよ!
バスタオルでのマットの作り方や、やり方は下の記事に載っています。
今回はマットに合わせて縦に寝るだけです!
肋骨と胸椎の関節にマットが当たり、心地よさを感じるはずです。
その上で万歳したりと色んな方向に腕を上げてみると、なお良し!
肋骨と胸椎の間の関節から胸郭の面が変わり、腕の動きに合わせて肩甲骨が「ススス~」と動くのを体感して下さい。
おわりに
再度、ポイントを整理します。
①肩甲骨は「腕の骨の受け皿」
②その受け皿である肩甲骨は、肋骨で囲まれた箱「胸郭」の上を滑り回る
③その胸郭は、肋骨と背骨との関節「肋椎関節」で箱の面の傾きを変える
④それによって、三次元に自由な腕の動きを肩甲骨が担保できる!
マットにカラダを乗せエクササイズは、この自由に動き回る肩甲骨を手にいれるための全てが詰まっている…。
と言っては過言ですが、それ位めちゃくちゃ時短で簡単に楽にしてくれます。
ぜひ実践されてみて下さい。
今回はここまでです。
では。
今回は肩甲骨についてお話しします。
マニアックなところを専門用語は使わずに、読者の理解が深まり、役に立つ内容(のつもり)です!