キャッチャーの練習をする上でのポイント|谷繁氏登場の宮本慎也氏の動画より

野球の守備の要、キャッチャー。

試合中、野手の中でただ一人反対方向を向き、全ての球に関与します。

今回は宮本慎也氏の動画にて、プロ野球界で名捕手と名高い谷繁元信氏が、

・キャッチング

・スローイング

・ブロッキング

の基本についてお話されています。

今回はその内容をまとめました。

キャッチングの練習をする上でのポイント①|谷繁氏登場の宮本慎也氏の動画より

始めの動画はキャッチングの基本についてです。

内容は、

・キャッチングとは

・キャッチャーの構え方

・どこを「的」にするのか

・構えにおける右手の位置

・ミット操作のポイント

・フレーミング

・キャッチングにおけるミットの構え方

となっています。

 

キャッチングとは(1:10〜)

まず他の野手を含め、ボールをグラブにおさめる動作を「捕る」という表現になりがちです。

キャッチャー以外の野手は、自身で動いてボールに向かって「捕り」に行きます。

しかしキャッチャーは、基本的にボールはキャッチャーに向かって来ます。

こちらからボールに向かって「捕る」のではなく、ボールが来たら「受ける」とよいのです。

キャッチャーは、「捕る」ではなく、「受ける」という認識を持つのが一番大事と述べられています。

 

また、ミットを動かさずにキャッチングできるのは、よいキャッチャーと言われます。

しかし正直、難しい技術であり、小・中学生にその技術を求めるのは難しく、高校生くらいからある程度できるようになるとのことです。

そのため、「なるべく動かさない」程度の意識でよいと述べられています。

 

キャッチャーの構え方(2:22〜)

キャッチャーの構えは、かかとを地面につけずにつま先立ち

構えについては、「かかとを浮かしてつま先立ち」で構えます。

今は股関節や膝、足首が固く、かかとを浮かせられない子が多いとのことです。

かかとがついた構えより、つま先立ちの構えは体重を前に位置させることになります

「受ける」けど「攻撃的な構え」。

それがキャッチャーの基本的な構えと述べられています。

 

どこを「的」にするのか(3:10〜)

キャッチャーの的は「張った胸」にするのではなく、猫背にして「ミット」を的にする

よくキャッチャーは「的を大きく見せろ」と言われます。

すると、胸を張って「胸を的」のようにすることが多いです。

しかし「的が胸」だと、

・胸を張るために背筋を伸ばす

後ろ体重

ミットの操作がしにくくなる

・胸は広く、的としてはアバウト

という状況が生まれてしまいます。

 

そうではなく「的はミット」とし、姿勢は猫背気味にします。

「的はミット」にすることで、

・体重を前でコントロールできる

→前にミットを位置できる

→ピッチャーからみて的が大きくみえる

というメリットがあります。

 

キャッチャーの構えにおける右手の位置(5:00〜)

右手の位置は「どこでもよい」と述べています。

それぞれ動きやすい位置でよいとのことです。

ただし怪我防止という意味では、

・右のお尻

・ミットの後ろ

・股間

などがファールチップが当たらない場所として挙げられています。

そして、ランナーがいるときは右手をミットの近くにするなど、状況に合わせて右手の位置はかえる必要があります。

 

キャッチングにおけるミット操作のポイント(5:50〜)

ミットの操作は、肘や手首で操作する選手が見受けられます。

しかしそれではキャッチングの際、ボールの勢いに負けてミットが落ちてしまいます。

そのため、肩で操作をするようにと述べられています。

肘や手首に比べ肩周りの筋肉の方が大きく、力も強いため、キャッチングの際にミットがブレにくくなります

肘から先はそれほど力は入れません。

手首だけはちょっと力を入れて、立てるイメージです。

肩を中心に円を描くように、肩甲骨の動きを意識するとよいでしょう。

 

フレーミングについて(7:23〜)

最近は、ミットの先を下げておき、捕球と同時に上がるフレーミングというスキルが流行っています。

谷繁氏は、そのフレーミングについては「ない」と考えているとのことです。

フレーミング=「ボール球をストライクにみせたい」と解釈しているとのことで、結局はボール球であると述べられています。

谷繁氏の哲学として、

ギリギリストライクゾーンのボールをストラクゾーンのままミットをビタ止めし、審判にストライクと言われること

最高のキャッチングだと力説されています。

 

フレーミングは審判との駆け引きにおいて不利に働く

野球の試合ではストライクとボールの判定をするのは審判です。

審判もフレーミングといったスキルが流行っていることは当然知っているでしょう。

その審判に、「このキャッチャーはボール球はフレーミングするな」と認識されてしまえば、審判はミットが動いた瞬間に「ボール」と判定するようになります。

 

そして審判も人間であり感情があります。

フレーミングによって、「このキャッチャーは私を騙そうとしている」と審判に悪い印象を持たれると、バッテリーにとって不利に働くこと可能性があります。

審判に、「このキャッチャーは騙したりせず正直な人間だ」と思ってもらう

それが、9イニングある長い守備機会において結果的にバッテリーにとって有利になるとのことです。

審判との駆け引きも配慮したキャッチングができるのが最高のキャッチャーだと述べられています。

 

キャッチングにおけるミットの構え方(9:35〜)

低めのキャッチングでは、ミットの上の面がキャッチングとともに下を向くキャッチャーが多いとのことです。

しかし、キャッチングの際はミットの上の面は上向きにしておくことが重要です。

ミットの上の面が下を向くと、上向きのままのキャッチングに比べ、審判からみるとボール一個くらい低くみえてしまいます

 

冒頭で力説されていた「受ける」のではなく、「捕る」キャッチングでは下向きのキャッチングになりやすくなります

上向きのままのキャッチングのためには、「捕る」のではなく「受ける」イメージが重要です。

そしてこれも前述した肩での操作をすることが、ミットが下がらずに上向きのままのキャッチングにつながると述べられています。

 

試合中の単なる一球でも、その一球が「ボールかストライクか」で局面がガラッと変わることも可能性があります。

カウントによってバッターやピッチャーの心理も変わります。

正しくストライクをとってもらうキャッチングが重要になると述べられています。

 

キャッチングの練習をする上でのポイント②|谷繁氏登場の宮本慎也氏の動画より

今回の動画はキャッチングについての続編で、質問に対して谷繁氏が答えていく内容です。

内容は以下のようになっています。

・適切なミットの高さ、肘の角度は?

・左ピッチャーのスライダーのキャッチングは?

・構えにおけるミットの角度は?

・事前の構えは必要か?

・ランナーがいる場合の返球は立つ方がよい?

・ミットのどの位置で捕るのがよい?

 

適切なミットの高さ、肘の角度(0:35〜)

「小中学生でミットの構える位置が高い子どもがいるが、ミットの高さはどの高さか?」

という問いに対しては、

膝の高さ」と答えられています。

 

「肘がすごく曲がっている子もいるが、肘の角度は?」

という問いに対しては、

自分の中でちょうど良い角度」と答えられています。

構えやすい角度を自分で見つけるようにとのことです。

 

左ピッチャーのスライダーのキャッチングは?(1:15〜)

昔は、左投手のスライダーはミットを立てて(親指を上)、捕球面をボールが曲がって来る方向に向けてキャッチングするように言われていたとのことです。

前述したように、肩でキャッチングできるようになれば、ミットは横向きのままキャッチングできると述べられています。

ボールの勢いに負け、キャッチングとともにミットが外に流れていくことは避けるべきで、

横向きでのキャッチング

難しいならミットを立ててのキャッチング

を行います。

いずれにしてもキャッチングをブレさないためには、力がより入る肩で操作することが必要になります。

 

構えにおけるミットの角度は?(2:10〜)

昔は「人差し指を時計の12時に向けるよう」言われていたそうです。

しかし谷繁氏は、グラブの人差し指の先が45°くらいにちょっと立てることを意識していたと述べられています。

立てずにミットが下向きになると、左の脇が空いてキャッチングの際に力が入らずボールと一緒にミットが流れてしまいます。

そうならずに力の入る肩でのキャッチングをするためには、グラブの人差し指の先45°を意識するとよいでしょう。

人差し指を12時に向けて操作するのは肘を支点にする操作方法で、ミット操作の範囲も制限されてしまいます。

人差し指45°にして肩での操作にすれば、

・捕球の際に力が入る

・ミット操作の範囲が広くなる

というメリットがあります。

 

ランナーがいる場合の事前の構えは必要か?(3:20〜)

「ランナーが一塁にいるときは、身体の向きを右向きしたりするか?」

という問いに対しては、

盗塁の準備として右向きにすることも必要」としています。

谷繁氏も現役時代は「ちょっとだけしていた」とのことです。

 

返球は立つ方がよい?(3:50〜)

キャッチャーは座ったままピッチャーに返球することもあります。

そこで「ランナーがいる場合は立って返球するべきか?」

という問いに対しては、

ランナーがいる際の返球は立って返すのが基本

と答えられています。

ランナーの動きを確認・抑止もせず、座ったまま返球するキャッチャーが多いように感じるとのことです。

立って返球することで、

下半身強化になる

冷静に状況判断するための考える時間ができる

リズムを自分で作ることができる

ことができます。

座ったまま返球するにしても、返球の前にランナーを目で抑えることは必要です。

 

「ブルペンでも立って返球するべきか?」

という問いに対しては、キャンプ中に立って返球する時期を意識して作っていたとのことです。

一球一球、しゃがんで捕球し、立って返球することは下半身強化になります。

そのため、できるだけ立って返球するべきと述べられています。

 

また、ピッチャー目線でも、座ったまま返球するより、立って返球する方が丁寧に投球練習をしているように感じるのではことです。

色々とやることに対して、自分なりに意味をもってやることが重要と述べられています。

 

ミットのどの位置で捕るのがよい?(6:25〜)

ミットのどの位置で捕るのがよいか?という質問に対して、ミットのウェブの紐をしめることが安定した捕球につながるとのこと。

「小中校生で、ミットの捕球面でも上の方でキャッチングする子が多いが、どの位置で捕球するとよいか?」

という問いに対しては、

「そもそもミットによって捕球する場所は変わる」と答えられています。

そしてミットのウェブの紐が締まっているか、緩んでいるかでも変わります

ほとんどのミットは紐が緩んでいるそうです。

実際、日本ハムのキャンプに参加した際も同様で、キャッチャー陣に紐を緩ませる理由を尋ねてもほぼ答えられず、特に理由はない様子だったとのこと。

谷繁氏は紐が締まったミットを使用していました。

その理由としては、

締まっていないミット

捕球面は広いがボールが遊びやすい

ボールの持ち替えに時間のロスが生まれる

タッチプレーの際にボールがミットから出る可能性がある

締めたミット

自分の捕球ポイントにボールが集まる

持ち替えが速くなる

タッチプレーのミスが減る

と述べられています。

小中学生ならまだしも、ある程度のキャッチングができるようになる高校生より上の世代は、ミットにも自分なりのこだわりを持って欲しいと述べられています。

 

スローイングの練習をする上でのポイント|谷繁氏登場の宮本慎也氏の動画より

今回の動画はスローイングの基本についてとなっています。

内容は以下です。

・スローイングのフォーム

・やりがちな誤ったフォーム

・スローイングの練習の方法と注意点

・スローイングのタイミング

・スローイング後のフォーム

・一塁ランナーがいるときの構えの位置

 

スローイングのフォーム(0:30〜)

スローイングについては、まずはキャッチボールの基本である、

右足を出す

投げる方向に左足を出す

肩のラインを合わせる

投げる

と同じであると述べられています。

座る

捕る

立つ

④キャッチボールの基本の動き

という動作であり、キャッチャーだからといって特別な方法はないとのことです。

 

スローイングの下半身の動き(1:25〜)

スローイングについてはキャッチャーだからと特別な方法はないと述べつつも、「捕球前に左膝を内に入れる」ことと、投げる前に「右足は左足の前に持っていく」ことをポイントに挙げている。

よくキャッチャーでありがちなのが、まず右足を後ろに引いてのスローイングです。

しかしそれは、スローイングで左打者との接触を避けなければならない咄嗟のときたまにあるが、基本的には「右足は左足より前に」出して欲しいと述べられています。

その理由としては、後ろに右足を引くと下半身の力が前に向かないことを挙げられています。

 

その中で年齢が上がり、筋力が付いてくるにつれて、動作を小さく速くしていくとよいと述べられています。

身体ができておらずまだ力が弱い小学生は、まずは正しいフォームで投げることです。

小学生はワンバウンドでもよいので、正しいフォームで投げ、動作を覚えることの重要性を強調されています。

 

スローイングの上半身の動き(3:30〜)

スローイングの手の動きは、前で捕球し持ち替えるのではなく、体の近くで捕球し持ち替えること。

上半身の動きとしては、

①前で捕球→ボールを右手で持ち替える

体の近くで捕球→右手に持ち替える

の2パターンがありますが、②の方が速く後者を勧めています。

また、「割る」といった動作を指導されることもありますが、「割る」ような直線的な動作はミスしやすいと述べられています。

ミットも、右手も「円運動」でスローイングにつなげるイメージです。

 

スローイングの練習の方法と注意点(5:20〜)

自主練習としては、

ミットでボールをつかんで体の前方

ミットを体の正面に持っていく

右手でボールを握る

送球動作

という一連の動作を挙げています。

その際、ミットは円を描くように胸の下あたりへ持っていきます。

直線的に胸の前に持っていくと動作のスムーズさに欠けてしまいます。

ポイントは前述したように直線運動ではなく、円運動です。

 

実際に本塁から各塁への送球練習をする際も、始めから右手でボールを持って送球するのではなく、ミットの中にボールを入れておき、右手に持ち替える動作を省かないことが大切と述べています。

 

スローイングのタイミング(7:15〜)

ここで、「送球時は立ちながら投げるのか、それとも立ってから投げるのか?」という質問をされています。

答えとしては、「投げる瞬間に立つイメージ」と述べています。

立ってから投げるのではなく、低い姿勢から立ち姿勢へスローイング動作と同時に移行します。

そのため、下半身の強さが必要だと述べています。

 

難しい人は、「左膝をキュッと内に入れるイメージをするとよい」とのこと。

スローイングは、始めに右膝は外へ開き、左膝は内側へ入っていく動作が必要です。

そのため、年齢などで左膝を素早く内に入れる動作が難しい選手は、始めから右足を開き気味にしておくと、スムーズに左膝は内側へ入りやすくなります

 

スローイング後のフォーム(8:45〜)

スローイング後、「体が前に行きすぎると打者に当たってしまうが、スローイング後は体は後ろへ戻るくらいがよいのか?」

との質問に対して、

小中学生はそうしたことは考えず、とにかく正しいフォームで投げる

と答えられています。

身体が大きくなってくると、自ずと小さい動作で投げられるようになります。

そのため、小中学生のうちからフォームを小さくするのではなく

正しいフォームを繰り返し身体で覚える

身体が成熟してから余計な動作を省く

ことを強調されています。

 

1塁ランナーがいるときの構えの位置(10:10〜)

「1塁にランナーがいるときは少し後ろ目に構えたりするか?」

という質問に対しては、

「しない。ランナーがいてもいなくても同じ距離で構える

と答えられています。

その理由としては、投球の距離が変わるとピッチャーに影響がでるため、ピッチャー優先で構えるため、という質問者の言葉にうなずかれています。

 

ブロッキングの練習をする上でのポイント|谷繁氏登場の宮本慎也氏の動画より

最後の動画はブロッキング基本となっています。

内容は以下のようになっています。

・基本的なフォーム

・ボールを弾きにくくするコツ

・右手の位置

・サイドボールのブロッキング

・ブロッキングの練習方法

・宮本慎也を抑える配球は

・インサイドの使い方

・一流キャッチャーの条件とは

と、後半は配球についてのお話もあります。

 

ブロッキングの基本的な考え方(0:30〜)

ブロッキングは「ベースより前のワンバウンド」は基本無理なので、まずは「ベースから捕手よりのワンバウンド」を確実に止める練習を行うこと。

まず、ブロッキングの練習をする以前に、「ブロッキングにも限界がある」ことを始めに認識しておくことを強調されています。

その上で、「ベースより前のワンバウンドは基本無理」とのこと。

それを止める練習は必要ないと述べられています。

基本のブロッキングができてきたら応用の練習としてはありであり、それを止められたらナイスストップと褒められるべきとしています。

 

キャッチャーに求められる基本のブロッキングは、「ベースから捕手寄りのワンバウンドを確実に止める形を作る」こととされています。

 

ブロッキングの基本的なフォーム(1:35〜)

事前に「ワンバウンドが来るかも」と予測した上で、ワンバウンドが来たら両膝を地面につきます。

その際、事前にかかとを浮かせた構えにしておかないと、ワンテンポ遅れるだけでなく、膝をつく動作の中で一回体が浮いてしまいます

また、膝をついた時の背中は丸めておきます

そうすれば、体に当たったボールは体の近くにコントロールできます。

キャッチングの項で前述している「かかとを浮かし、背中は猫背にした構え」にしておけば素早くその動作へ移行できます。

かかとがついている姿勢から膝をつけると背筋が伸びてしまい、体に当たったボールをコントロールできません。

結局、「予測」「構え」といった備えが大事であるとのことです。

 

ブロッキングでボールを弾きにくくするコツ(3:30〜)

高いワンバウンドのブロッキングはどうしても体に力が入りがちです。

しかしそこを体の力を抜くようにします。

硬い壁にボールをぶつける→弾かれる

スポンジにボールをぶつける→弾かれない

と同じ理屈で、ワンバウンドしたボールを手元にコントロールするためには、スポンジになったつもりで体の力を抜くことです。

これを習得するのは大変で、相当な練習量が必要と述べられています。

 

ブロッキングでの右手のポジション(4:35〜)

ワンストライク、ツーストライクを取るまでは右手はどこに置いておいても構いません。

しかし、

・スリーストライクを取りに行くとき

・ランナーがいるとき

は、右手はミットに持っていきやすい位置に置いておく必要があります。

どの位置に右手を置くのがミットに持っていきやすいかは人それぞれとのことです。

 

サイドボールのブロッキング(5:25〜)

サイドボールのブロッキングは、まず移動側の片膝をつけ、ボールに対して体を正面にし、足先は膝を軸に外側へ向ける。

サイドボールに対しては両膝ではなく、まず片膝をつけるようにします。

右ピッチャーのスライダーやカーブは、ワンバウンドすると捕手からみて右ではなく左へ多少軌道が変わります。

しかし基本的には右膝からついて体を左向きにし、ボールをブロックします。

その際、右の足先は右膝を軸に外に向けます

 

左ピッチャーのスライダーやカーブの場合は、逆の動きとなり、

①左膝から地面をつける

②左の足先は左膝を軸に外に向ける

③丸めた体を右向きにしてボールを受ける

となります。

 

ブロッキングの練習方法(6:35〜)

谷繁氏はブロッキングの練習として、ボールが100〜120球入るかご3箱分くらい行っていたとのことです。

そして、ブロッキングに対して人間だれしも恐怖心が生まれます。

しかし、「それを考えない、痛いと思わないようにしていた」と笑いながら述べられています。

 

また、ミットやボールを使わない練習としては、コーチが指示した方向にブロッキングの体勢をとってはすぐに戻り、再び指示された方向に動くということの反復練習を行っていたとのことです。

 

キャッチャーの上達に必要なこと(7:50〜)

基本を意識することで、それが無意識にできるようになり、応用につながると述べています。

そのためにはどれだけ意識して練習できるかとのこと。

 

他の野手とは違い試合の中でキャッチャーは全球に関わります。

三振を取ってバッターを討ち取ったのにも関わらず、ブロッキングのミスで振り逃げでランナーでることもあれば、キャッチングのせいでストライクがボールになるなど、流れが変わるプレイに関わる頻度が高いです。

そのため、まずキャッチャーは「キャッチング」「スローイング」「ブロッキング」の3つを習得しなければなりません。

「配球・リード」は試合がないと勉強できませんが、その3つは試合がなくても練習することで上達できます。

 

宮本慎也を抑える配球は(10:15〜)

最後に、「宮本氏を抑えるには?」という配球に関する質問を投げかけられています。

宮本氏の現役時代の晩年は、谷繁氏がマスクを被った打席でほとんど打てていないとのこと。

そこで谷繁氏は、宮本氏の打撃スタイルとして、

・カウントが追い込まれるまでは狙い玉を絞る

・追い込まれてからは粘りながら甘い球を待つ

と述べ、「追い込むまでどうやって(宮本氏の)山を外すか」考えていたとのことです。

 

宮本氏は、調子がよく変化球で体が泳がされても対応できていたときには、谷繁氏に「インサイドを続けられていた」と回顧しています。

インサイドに過剰に体が反応しないよう頭で意識しても、続けられて体が反応しだすと今度は一切インサイドに来なくなったとのこと。

 

インサイドの使い方(11:35〜)

一般的にインサイドは「強気のリード」と言われることがよくあります。

しかし、インサイドは「使うのもインサイドの使い方、使わないのもインサイドの使い方」であり、「その使い分けをキャッチャーが判断しないといけない」と強調されています。

 

宮本氏への配球のようにインサイドを上手く使うとバッテリーに有利に働きます。

しかし、無意味にインサイドを使うとピッチャーが不利になるとのこと。

インサイドは少し打者寄りにボールが抜けるとデッドボールになります。

デッドボールを嫌がり、ボールが続きカウントを悪くしたり、真ん中に寄って打たれたりするリスクがあります。

そこまで投げきれるコントロールの技術を持ったピッチャーはそんなにはいないため、要所要所でインサイドを使ってあげるとピッチャーも投げやすくなるとのことです。

インサイドを使わず、アウトコースばかり続けるのもありで、それも強気のリードと言えると強調されています。

 

また、宮本氏は谷繁氏がマスクをかぶった試合を回顧する中で、ピッチャーとの対戦だけでなく多少谷繁氏との対戦になっていたと述べています。

それに対して、「そうなると僕の思うつぼ」とのこと。

ピッチャーに100%集中されるとバッテリーとしてはしんどいそうです。

20〜30%でも意識がキャッチャーに向くようになると、バッターのミスする確率が増えます

そこまでになれると一流のキャッチャーと言えるそうです。

 

おわりに

最後にまとめます。

キャッチングの基本①

・「捕る」のではなく「受ける」意識

・構えはつま先立ちで猫背

・的はミット

→捕球面は上向きのままキャッチングする

・肩を使ってミット操作をする

→ブレないキャッチングになる

・審判の心理も考えたキャッチングを

→ボール球をストライクにみせる✕

→ギリギリのストライクをブレずにキャッチングする○

キャッチングの基本②

・構えるミットの高さは膝の高さ

・肘の角度は自分の中でちょうど角度

・左ピッチャーのスライダーのキャッチングは肩を使うことで流れない

・ミットの構えは人差し指が45°立つ程度

・一塁ランナーがいる場合は少し右向きに構える

・ピッチャーへの返球は立って返す

→下半身強化になる

→その間に冷静な判断ができる

→リズムを自分で作る

・ミットのウェブの紐は締める

→自分の捕球ポイントにボールが集まる

→ボールの持ち替えが速くなる

→タッチプレーのミスが減る

スローイングの基本

・手順はキャッチボールと同じ

→①座る②捕る③立つ④キャッチボールの基本の動き

→キャッチャーだからと特別な方法はない

→ただし1歩目の右足は左足より前に出す

→投げる瞬間に立つイメージ

・身体の近くで捕球→右手に持ち替える

→左右の手の動きは円運動をイメージする

・体ができて力がついてくると自然と無駄のないスローイングができる

→小中学生はワンバウンドでもよいので正しいフォームを繰り返すこと

ブロッキングの基本

・ベースより前のワンバウンドは基本無理

→ブロッキングにも限界があることを認識する

→ベースより手前のワンバウンドを確実に止める練習する

・体は丸くして両膝をつく

→「事前の予測」&「猫背とつま先立ちの構え」で素早い動作に

・ボールが弾まないよう体の力は抜く

・右手はミットに持っていきやすい位置

・サイドボールはそれた側の膝からつく

→その膝を軸に足を外側へ

→体の向きをボールに正対する

リードについて

・インサイドはピッチャーの能力、心理など配慮しながら要所要所で使う

→インサイドは使うも使わないも強気のリード

リードのスキルは試合に出ないと高められませんが、「キャッチング」「スローイング」「ブロッキング」のスキルは練習で高めることができます。

今回の基本のポイントを意識して練習することで、無意識でできるようになり、それがワンランク上の応用の動作につながると、谷繁氏、宮本氏の両人は述べられています。

ぜひ、基本のポイントを頭に入れた上で練習し、キャッチャーとしてのスキルアップを図りましょう。

では。