健康や美容のため、ウォーキングやランニングをするという方は増えています。
しかし日々の仕事や家事育児よって疲労し、体は重くなりがち。
そこに運動をすると余計にたまってしまう疲労…。
せっかくなら運動前に体を軽くして、楽しく運動をしたいですよね。
そのための秘訣は背中を柔らかくすること。
今回は、解剖学や運動学の視点でその理由を解説します。
ぜひご一読下さい。
楽しくウォーキングやランニングを続けるために~背骨の構造と機能~

背骨。医療用語では脊柱と言います。
首の背骨「頸椎7個」、胸の背骨「胸椎12個」、腰の背骨「腰椎5個」、骨盤に収まる「仙骨」「尾骨」。
仙骨、尾骨以外の背骨の間には椎間板というクッションがそれぞれに敷かれています。
各々クッションを挟みながら、首は前に、胸は後ろ、腰は前にS字カーブを描いています。
ここでとても重要なのは、以下2点です。
①ヒトの背骨はバネの役割がある
②自律神経の通り道になっている
今回は①についてご説明します。
②について気になる方は、背中の痛みの原因?ココロのストレスと背骨をつなぐ自律神経をご覧ください。
楽しくウォーキングやランニングを続けるために~ヒトの背骨の役割はバネ~

まずは「ヒトの背骨はバネの役割がある」について説明します。
ヒトは一日の生活の中で、何千~何万歩と歩くと言われています。
歩くたび、足が地面にぶつかるたびに何十キロという体重分の衝撃が体に返ってきます。
その上、ヒトは状況のよっては重いものを持ったり、走ったり、ジャンプしたりします。
そうすると地面とぶつかる際の衝撃はますます強いものになります。
単純に何十キロという物体を何千~何万回と地面に落とし続けたら、原型はとどめられないはずです。

そうならないため、ヒトの体のクッションやバネの機能として、特に重要なのがS字カーブを描いた背骨なのです。
ちなみに、サルには腰の背骨のカーブはなくS字カーブはありません。
S字カーブはヒトが2足歩行をしても大丈夫なように獲得した、とても重要な機能であることの証拠でもあります。
楽しくウォーキングやランニングを続けるために~背骨と脳と筋肉の関係~

そして、それぞれの骨と骨の継ぎ目である「関節」や、その関節を動かし運動や動作を作る「筋肉」にセンサーが付いています。
センサーからの情報は、神経を通り、中枢神経(以下は分かりやすく脳に略します)へ送られます。
背骨の状態は脳に常時チェックされているのです。
ヒトは脳から指令が出て、その指令は神経を通って筋肉に届き、筋肉が働くことで運動や動作が出来ます。
当然、仕事や家事、育児に追われ続け、疲れてしまうと、筋肉も疲れ、硬くなります。
ここで重要なのは、

今日は背骨まわりの筋肉が疲れてて、背骨は硬いよ~

バネの働きが期待出来ないな~
強い素早い力を出すとその分、衝撃は背骨に返ってくる訳だし…

体を壊すわけにはいかないので、今日は出す力を弱めとこ!

おい~っす!(弱めの力)
という、背骨と脳と筋肉の関係性です。
背骨の柔らかさ次第で、力の入り加減は変わる

以上のように、背骨の関節や筋肉から送られる情報を脳はモニターしながら、体が壊れない範囲での力を調整しています。
つまり、背骨まわりの筋肉や関節が柔らかくなると、脳は強い力を出しても大丈夫と判断します。
これが前回のエクササイズをすると体が軽くなったり、力が入りやすくなったりする理由なのです。
例えば余談ですが、おじいちゃんやおばあちゃんは背骨が曲がった方が多いと思います。
そうした背骨の曲がったおじいちゃんやおばあちゃんは、ジャンプはしないですよね。
というか、そうした背骨をしているとジャンプし着地した際の衝撃を受け止められないので、脳がしない・出来ないのです。
おわりに
いかがでしたか?
まとめると、
・背骨は衝撃を吸収するバネの役割がある
・疲労し背骨が硬くなる→バネの働きが出来ない
・すると脳は力が出ないようにしてしまう
・メンテナンスで背骨を柔らかくバネを保とう
ということになります。
普段からのメンテナンスとして、楽ちん即効!背骨メンテで柔らかく心地よいウォーキングやランニングををすることはとても有効です。
しかし、これで安心してはいけません。
なぜなら、背骨はカラダの疲れだけでなく、心の疲れからでも硬くなるのですから…。
気になる方はぜひ、子育て世代必見!ココロのストレスと背骨をつなぐ自律神経をご覧ください。
では。
今回の背骨に関する理論は、スパインダイナミクス療法というリハビリテーションの手技の研修会で学び、臨床での実践を通して大変重要だと感じていることを参考に、簡略的かつ抜粋してお伝えしています。
こちらがhttps://nojiri-ch.com/sdリンクになります。
・ヒトの背骨の特徴と役割が知ることができる
・背骨とパフォーマンスとの関係を知ることができる