育児の悩みの一つ、寝かしつけ。
生活リズムを整えたり、音楽かけたり、額をなでたり。
色々試してみても上手く行かず、元気な我が子をみて白目…。
結局抱っこがよく眠るけど、腰や腕が悲鳴を上げる…。
何てことも多いと思います。
そこで今回は、カラダに優しくラク~に子を眠りにいざなう方法をご紹介します。
歴代3人の子ども(座位がとれる6か月以降~)の寝かしつけに大活躍しています。
チカラが弱い私でも本当に楽に寝かしつけ出来るし、おススメです!
数分程度で、カラダに優しい寝かしつけ方法を知ることが出来ますのでぜひご一読下さい。
・カラダに優しい楽な寝かしつけが出来る
・バランスボール寝かしつけで、親のカラダに起こる良い変化を解剖学的に理解できる
・バランスボール寝かしつけで、子どもが寝むる理由を生理学的に理解できる
バランスボールとは
上の写真の黄色い球体がバランスボールです。
空気が中に入っており、柔らかさと反発力を兼ね備えています。
体幹トレーニングなどで使用され、ご存知の方も多いのではないでしょうか?
様々なトレーニング方法が開発されていますが、今回は「座位バウンド」を寝かしつけに活用します。
バランスボール上でカラダを弾ませる「座位バウンド」
「座位バウンド」とは何か?
まず写真のようにバランスボールに座ります。
膝を使ってカラダを上下させます。
すると反発力によって、勝手にカラダが弾むはずです。
座位バウンドの方法
ポイントは以下です。
①床に対して骨盤と背骨を垂直に立て、カラダの「軸」を作る
②バランスボールに沈み込んで受ける反発力を真っすぐ「軸」に受ける
③バランスを保ち、軽いチカラで勝手にカラダが上下するイメージ
一般的な体幹トレーニングなどに比べると、カラダへの負荷はなく簡単に出来ます。
バランスボール上での寝かしつけ方法
やり方のコツをつかんだら、今度はお子さんを抱っこします。
抱っこしたまま、バランスボール上で親子で弾みます。
ここでのポイントは以下です。
・親のまたぐらに足を開いた状態で座らせる
・親の腕で、子どもの肩甲骨や首を優しくホールドする
・親子のカラダは出来るだけ密着させ、弾む動きを一体化させる
100回ほど弾むと、子どもは眠りのスイッチが入り出します。
私はそこから100~200回は弾み、確実に入眠させてから布団へ移動させます。
子どもの背中センサー(布団に置いた途端に起きるやつ)は、あなどれないので…(笑)
しかし、何百回もするのきつそう…
それが全然きつくないんです!
むしろバランスボールで弾むことで心地良いくらい!
座位バウンドで親のカラダに起こる変化
なぜバランスボールの上で弾むときつくなく、心地良いのでしょう?
座位バウンドをすると体幹のインナーマッスルが働く
バウンド中とバウンド前後の体幹筋活動と脊椎カーブを比較したところ、バウンド中の外腹斜筋、腹横筋/内腹斜筋、腰部脊柱起立筋ならびに腰部多裂筋の筋活動は有意に高い値を示した。
file:///C:/Users/masakazu/Downloads/shuron-24-31.pdf
上の引用で登場する筋肉は、体幹部のインナーマッスルと言われる筋肉です。
これらの筋肉は普段、コルセットの役割をしており、腰を安定させてくれています。
腰が安定化すると、痛みなく、手足が軽く動きやすくなります。
座位バウンドをすると姿勢が良くなる
バウンドにより腰部周辺が伸び縮みを繰り返すことで、姿勢保持に必要な筋群が収縮して、徐々に背筋が伸びたことでバウンド後に脊椎カーブが改善した。
意識座位姿勢は姿勢保持に必要な筋活動が少なく、胸腰部の反りが強調された不良姿勢がとられた。
腰仙椎直立座位姿勢では、姿勢保持に必要な筋活動がみられ、腰椎は生理的前彎、胸背部は後彎した良い座位姿勢がとられた。
file:///C:/Users/masakazu/Downloads/shuron-24-31.pdf
腰仙椎直立座位姿勢とは骨盤を立てた姿勢です。
上の引用のように、普段は意識しても働かせにくいインナーマッスルを、バランスボール上で弾むことで働かせることで出来るのです。
その結果、本来ヒトが持つS字カーブの機能的な姿勢を取り戻すことに繋がる訳です。
バランスボールで弾む
↓
S字カーブの機能的な姿勢を取り戻す
↓
楽に手足にチカラが入る
↓
心地よく、きつくない
姿勢が良くなることで、カラダが軽くなるメカニズムが気になる方は、
子育て世代必見!背骨を柔らかくするとカラダが軽くなる訳で解説しています。
ちなみに、産後は先程のコルセットであるインナーマッスルが伸びきった状態で、腰回りが不安定です。
そうしたリハビリにも活用できます。
座位バウンドで子どもが寝る理由
次に、座位バウンドで子どもが寝る理由です。
子どもに揺れや振動を与えると眠るということは、経験的に納得する方が多いかと思います。
では、なぜ眠るのでしょう?
親子の呼吸や心臓のリズムが一体化する
『寝かしつけ場面で、養育者が子どもに対して「抱っこ」「揺らし」のダイナミクスを仕掛けると、呼吸および心拍間隔変動と関係し、それらは引き込み現象の生起を起因し、子どもの「ぐずぐず」を軽減し入眠を促進する』
「一定のテンポで振動を与える行動の反復性が、子どもの睡眠を誘発させる上で重要な機能をもっている」
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-26350953/26350953seika.pdf
上の引用をまとめると、
一定のテンポで抱っこしながら、楽な気持ちで弾む
↓
親子の呼吸や心臓のリズムが同調
↓
興奮が静まり、眠りスイッチが入る
と、生理学的にも説明がつくようです。
おわりに
いかがでしたか?
もちろん、このバランスボールを使えば100%寝かしつけ出来る訳ではありません。
子どもは、親がどんだけ頑張っても寝ないこともあるでしょうし、
横にしてトントンしたら嘘みたいに、即寝することもあるでしょう。
一つだけ言えることは、
寝かしつけは、親にとって本当に大変で一大事!!
だからこそ楽に寝かしつけ出来る手段の一つになるツールを手元に置いておくこと。
それは、ココロとカラダの負担を減らすことに繋がるはずです。
ちなみにバランスボールに座った際、カラダと太ももが90度になるくらいが骨盤を立てやすく、親子にとって嬉しい効果が生まれるサイズです。
身長150~170cmの方は55cm前後のサイズで大丈夫かと思います。
ちなみに完全に余談ですが、使わない時は子どもの遊び道具にもなります。
知らず知らずのうちに子どもの体幹トレーニングになり、バランス感覚が良くなっているはず!
将来何かスポーツするときに役立つはず!
最後までお読み頂きありがとうございました。
皆さんの豊かな子育てlifeの一助になれば幸いです。
では。
こんにちは、にぎり飯です。
解剖学、生理学などをベースにリハビリを提供する、作業療法士をしています。
今回はバランスボールでの寝かしつけ方法とその理由、カラダへのメリットを解剖・生理学的に解説します。